企業理念
私の思いを文章にしました。
企業理念
13年前の2002年、私の初めてのお客様はストーマ傍ヘルニアに悩む女性でした。
当時はまだストーマ用品の専門店は全国でも珍しく、相談をするところが限られており、たまたま知り合った看護師より相談を受け、この方にストーマベルトを紹介させていただきました。
「本当にいい感じ、ものすごく楽になった」と、笑顔と涙…
この出来事は今でも忘れられません。
涙と笑顔でお礼の言葉をいただき「本当に悩んでいて、苦しんでいたんだなあ」ということに、私も思わずもらい泣きをしておりました。
私自身、商品を売って、ここまで感謝された経験は今までなかっただけに、本当に嬉しく、また感激が冷めやらず、その日はなかなか寝つけませんでした。
この時初めて、恩師である原田俊子ETナースの言われた「人さまのためになる仕事」という言 葉の意味が解かりました。その後、地元である福島県でストーマ専門のお店である、ウエル・カムサポートセンター郡山店を開設し、有難くも少しずつ皆さまに広がっていき利用者も増え、県内の役所や医師、認定看護師の皆さまなど、多くの皆さまにご愛顧いただけるまでになりました。
その間にご縁のあった方々はとても素敵な方ばかりでした。
ストーマのある生活にはじめは苦慮する方もいらっしゃいます。しかしストーマを受け入れ、次第に人生を楽しみに変えていく皆様の前向きな姿勢を目の当たりにして、サポートしているはずの私が、逆に励まされ、勇気をいただきました。今思い返しても本当に充実した日々でありました。
そして、最も印象的だったのが東日本大震災での経験でした。
ご承知のように、福島県は地震と原発の二つの災害を被りました。
被災地である浜通りから、命からがらやっと郡山にたどり着き、来店され安堵される方々。
「急な避難指示で持ち出せず、その後も戻ることができなくなった。本当に困った。」
「津波がそこまで迫ってきて…」
本当に大げさな話ではなく、これが現実でした。
もし、福一原発が水素爆発ではなく水蒸気爆発であったとしたら、もっともっと被害は深刻だったと思います。
私は、ストーマ装具の緊急支援物資の福島県担当窓口として、避難所や各病院への配送、県庁との調整など、目まぐるしい日々となりました。
有り難くも福島県内では、認定看護師の方々の連係が素晴らしく、いろいろと助けていただき、また配送についても、各メーカーやオストミー協会、医療機器販売業協会の皆さまのご協力もいただき、何とか無事に対応ができました。
心ならずとも、皆さま全員にうまく対応が行き届かなかった面もあったかもしれませんが、後に「福島県内の医療支援物資が不足する中で、ストーマ装具の対応は最も早かった」と、とてもよい評価をいただきました。
これに関わった、メーカー、販売店、WOCナースの皆さまなど、垣根を越えたチームワークは後になって思うと本当に驚きです。このチームの一員として働けたことは、本当に感謝でいっぱいです。
また、県の担当者とも何度か打ち合わせをさせて頂きました。
県庁舎も甚大な被害を受けており、辛うじて福祉課は機能しておりました。
打ち合わせは時間の空く夜で、担当者がしみじみと感想を述べておられました。
「庁舎もご覧の通りで何とか機能はしているが、福島県には放射能の影響もある。こういう緊急事態の時は、行政だけでは手が回らないということが事実です。こうして民間の方々の自発的な協力が本当に有り難い」と。
実は、ストーマ保有者だけではなく、様々な障害を持つ方への対応に大変な苦労をされていたのでした。震災後は、私もできる範囲でこうした障害を持たれる方々のため、ボランティア活動に専念しております。
現在、スペシャルオリンピックス日本・福島で運営のお手伝いやコーチの活動などを行っておりますが、そこで出会う方々の純粋な気持ちは、本当に有り難く貴重な経験をさせて頂いております。
そしてこの度、ウエル・カムサポートセンターの分社化に伴い、ご利用者の皆さまの強い要望もあり、新しく新会社「サポートセンターみなみ」を開設させていただきました。
この会社は、会社の利益を貪るものではなく、ストーマを持たれた方々のために存在します。
皆さまからのお声を、できる限り色に顕してまいります。
また、この会社理念に賛同・応援してくださるWOCナースや医療関係者も多く、
「会社の大きさではなく人を見る。それが何よりも第一。福祉の精神が大事であり、ストーマビジネスの基本ですね」との、言葉は本当に有り難く、心強く感じました。
また、新会社設立にあたっては、いろいろな方の出会いがありました。
本当に皆さまの後押しがあればこそと、感謝の念でいっぱいであります。
埼玉支店の同時開設に関わってくださった方々、スポンサーになってくださった企業の方々や議員の方々、いろいろと助言をくださった役所の方々やお取引先の方々、快く受け入れてくださった病院関係者、ドクターやWOCナースの方々など、この皆さまのご支援を、ストーマをお持ちになられた方々のために、そしてこのストーマ事業をとおし、障害をお持ちになる多くの方々のために真心を尽くしてまいります。
そして、本当の意味で、障害をお持ちの方の目線での福祉事業を全国に広げてまいります。
到らぬところは多くあるとは思いますが、何卒宜しくお願い申し上げます。